ロシア、統一教科書で侵攻正当化 歴史教育見直し進める

 ウクライナへの侵攻を続けるロシアが歴史教育の見直しを進めている。9月の新学期からは、昨年2月に軍事作戦を始めた理由やロシア軍の「英雄的な戦いぶり」を記述した教育省認定の全国統一教科書が学校で使われ、侵攻を正当化する政権の歴史観を若い世代に浸透させる意向だ。

 プーチン大統領は最近、各地で若者と対話し、欧米が自分の価値観や歴史認識を押し付けてロシアの崩壊を狙っていると繰り返す。長期戦を見据え、今後の支持固めを図っているとみられる。

 ソ連崩壊後のロシアでは1990年代の民主化で学校教育の自由化が進み、国が教科内容のモデルは示すものの、各学校に教科書の選択や教える内容の大きな裁量が与えられた。

 だが侵攻後に欧米との関係が悪化。「侵略国」との非難に反発し、ロシアは欧米の対応を「新植民地主義」などと批判した。政権支持派が多数の議会で「統一のカリキュラムで正しい歴史を教えるべきだ」との声が高まった。

 昨年9月に教育法が改正され、学校では教育省策定の連邦プログラムを基礎に国が認めた教科書で教えることが義務付けられた。

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