約150団体が日本語訳声明の撤回求め申し入れ
笠井哲也2023年5月16日 10時45分
4月に札幌市で開かれた主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合で採択された共同声明をめぐり、環境省が公表している日本語訳が間違っているとして、全国約150の市民団体らが12日、環境相と経済産業相に撤回を申し入れた。回答期限は18日。
共同声明は英文でA4計36ページ(日本語訳は32ページ)で、4月16日に採択された。このうち東京電力福島第一原発から出る処理水の放出や除染土の再利用について言及した2カ所について、市民団体「放射線被ばくを学習する会」などが誤訳を指摘している。
処理水について、環境省がホームページで公開している「仮訳」では「廃炉及び福島の復興に不可欠である多核種除去システム(アルプス)処理水の放出」とあるが、英語の原文では「廃炉及び復興のために不可欠」なのは「(処理水放出が)IAEA(国際原子力機関)の安全基準や国際法に準拠して実施されること」と「放出が人や環境に害を及ぼさないこと」のように読める。
除染土の再利用についても、仮訳は日本の取り組みが「オープンで透明性をもって、国際社会との緊密なコミュニケーションをとりながら進められている」と評価したのに対し、英文では、日本に国際社会との連携をとりながら、透明性をもって取り組みを進めることを推奨しているように読める。15日にオンライン会見した学習する会の温品惇一代表は「これは改ざんではないか」と指摘した。
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https://www.asahi.com/articles/ASR5H6WK4R5HUGTB001.html?iref=sp_ss_date_article