いわゆる「ネット右翼」と言われる人たちはどのような層なのか。

 保守論壇で活躍し、ネット保守に詳しい作家・評論家の古谷経衡氏に聞いた。【聞き手・須藤孝】

 ◇ ◇
 ――「ネット右翼」の主流はシニア層だと指摘されています。

 古谷氏 排外主義者を「右翼」と呼んでいいのかという問題はあるが、「ネット右翼」が問題化しはじめたのは2002年のサッカーワールドカップ日韓大会のころからだ。

 当時は「平日の昼間から四六時中ネットに書き込みをしているのだから、仕事のない若い低所得者層が社会への不満でやっているのだろう」というイメージがあった。

 しかし11年に私が1020人を対象にアンケート調査をしたところ(※「ネット右翼の逆襲」総和社、13年)思ったよりずっとシニア層に偏っていた。女性より男性が多い。学歴も大卒以上が多く、収入も貧困層とは言えず、中産階級の上位、いわゆるアッパーミドルに属していた。

 ネット右翼が当初、若年層と思われた背景には「戦後民主主義が衰え、その価値観を知らない若者だから差別的なことを言う」という思い込みがあった。

 と…

シニア右翼 なぜ右傾化するのか | | 古谷経衡 | 毎日新聞「政治プレミア」
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20230515/pol/00m/010/008000c