世間が求める『氷川きよし』の姿は違う。あくまで演歌の王道を歩んでほしい、男らしく生きてほしいって言われると、自殺したくなっちゃうから、つらくて……
子供の頃はナイーブで、貧乏だった。自分は生きていちゃダメだと思うくらい、コンプレックスを抱えて生きてきたんです。小さい頃はナヨっとして女の子っぽかったから、“オンナ!”とか“オカマ!”ってイジメられて苦労したこともあった。そういうふうに言われてきたから、自分をさらけ出したらダメだと。
お芝居をやっても男の子らしくしようとか、『みんな一緒にさせる』という世間のルールに沿って生きてきた。人と違っているとどうしてもイジメられるのが日本じゃないですか。だからデビューさせていただいてからも、演歌の世界で、男の世界で生きていこうとやってきたけれど、なにか違うと思っていて……
自分に素直に生きるようになってから、すごく幸せです。20年経ってから本当に歌うことが楽しいと思えるようになった。もちろん今までも周囲の人たちに支えられてきたことは大変ありがたかったのですが、本当の自分をさらけ出してもなお理解をしてくれるファンの方々に感謝しています。
ただただ感謝の2文字しかありません。
みんなが求める『氷川きよし』もこれからやっていきたい気持ちはありますが、いろんな部分がある『氷川きよし』だから、一色だけではまとめられない。周りにどう言われようが、どんなに足蹴にされようが、自分の心を歌っていきたい。自分の心のままに生きていきたい。
しっかりと確信をもって表現しようという真剣な決意だから、(フェミニンな服装やメークについて)からかったりしないでほしい
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