江戸時代の年貢は「5公5民」(コトバンク)と表現されていた。要するに収穫の中から年貢として半分を支払い、残りの半分が「実際に働く」農民の手元に残るということだ。ただし、享保年間までは4公6民であったとの説もあるし、実際には地味・作柄や地方によって年貢率は異なっていたようだ。
だが、概ね4公6民から5公5民が標準的な年貢率であったことは間違いないものと思われる。そしてこの年貢率は、徳川家康が「百姓を『死なぬよう生きぬよう』にすべし」と言ったと伝えられる政策の反映だともいえよう。
4公6民あるいは5公5民が「死なぬよう生きぬよう」の水準だとすると、「国民負担率の国際比較(財務省)」や「同(OECD加盟36カ国)」は極めて興味深い資料だ。
日本の「国民負担率」(=租税負担率+社会保障負担率)は概ね5割に近い水準であり、現在の日本人(一般国民)は「死なぬよう生きぬよう」という環境の下で暮らしているとも言える。
だが、それ以上に深刻な状況にあるのがフランスだ。国民負担率がなんと7公3民に近い水準だ。
これは、江戸時代で言えば「一揆やむなし」といえるレベルである。もちろん、江戸時代の年貢と比べて、現代社会での払った税金や保険料の国民への「還元率」は高いはずだ。だが、それでも稼いだ金額の内7割も「天引き」される負担感は相当である。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6980cdb9a5e604eaf1c117e1caddde3a45d9bedd?page=2
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