中国の研究者、メス猿の子宮に胚のようななにかを移殖して妊娠させることに成功 [314066368]
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幹細胞からつくった「人工胚」でサルに妊娠の兆候。そこから浮上する倫理的な懸念とは
4月、中国の研究者たちが、サルの幹細胞から形成した「人工胚」を雌のサルの子宮に移植し、さらには妊娠を確認したことを発表した。こういった研究は、ヒトの妊娠初期の胚発達や流産の解明に役立つことが期待される一方、倫理的な面からは慎重に進めるべきだという声があがっている。
初期段階の胚がどのように成長するかは未だ謎に包まれている。なぜなら、途中で姿が見えなくなってしまうからだ。通常、卵管内で受精が成立すると、受精卵は約1週間かけて子宮に向い、その間に分裂を経ていくつかの球状の細胞を形成する。そして目的地に到着すると、子宮の壁に着床して姿を消してしまうのだ。
着床後の胚の成長過程を明らかにするため、研究者たちは胚に似た人工の組織を作り、それを観察することを試みている。幹細胞から生成されるこの「人工胚」を研究することで、倫理的な問題に問われることなく、疾病や先天性欠損、流産の起こる仕組みが解き明かされるかもしれない。
最新の研究では、マカク（オナガザル科マカク属のサル）の幹細胞を利用して胚に似た組織をつくり、それを雌のサルに移植することで妊娠させることを試みた実験が中国で実施された。この実験の詳細は科学誌『Cell Stem Cell』に掲載されている。過去にも「人工の」胚はつくられてきたが、ヒトに近い動物であるサルを使い、なおかつ子宮に移植したのは初めてだ。
よくできているが、自然の胚とは違う
研究者たちはまず、発生してから数日しか経っていないサルの胚から幹細胞を分離した。幹細胞はあらゆる体細胞に変化することができ、理論上は胚に似た組織の形成にも使用できる。研究者らは採取した幹細胞をシャーレの上に置き、胚に存在するさまざまな細胞へと成長させるために必要な栄養や分子を与えた。
成長を始めて8日目と9日目には、研究者らは顕微鏡で胚盤胞に似た組織を確認した。これは胚形成の初期段階に見られる構造だ。加えて、卵黄嚢のような構造が形成されるのも確認された。これは妊娠初期に現れて胚に栄養を送る組織だ。
ペンシルバニア大学獣医学部の生物医科学アシスタント・プロフェッサーで、霊長類の発生とヒトの成長について研究している佐々木恒太郎（今回の研究には関与していない）によると、この人工胚は「自然な胚に通常存在する細胞種がすべて揃っているように見え、非常によくできている」とのことだ。
続いて、研究者たちはこれらの胚に似た細胞の塊を取り出し、8匹の雌サルの子宮に移植した。するとそのうち3匹で細胞が子宮内膜に着床し、妊娠の最初の段階を迎えたのである。研究者たちは超音波検査で妊娠を確認し、また妊娠中に生じるプロゲステロンと絨毛性ゴナドトロピンというホルモンを検出した。移植された細胞は続いて初期の胎嚢を形成した。これは液体で満たされた袋で、発育中の胚を包む役割がある。しかし、これらの妊娠は短命に終わる。約1週間後には胎嚢は消失し、胎児は形成されなかったのだ。
その後人工胚はシャーレに移され、着床後の成長段階に達するかどうか培養が続けられた。しかし佐々木は、この時点での胚について「不整形のようで、通常の胚とは異なって見えました。おそらく構造上または遺伝上の異常から発達に失敗したのでしょう」と説明する。
オーストリア科学アカデミーの胚発生学者であるニコラ・リブロンは、これらの組織が正常に発達しなかったことを鑑みるに、これらは自然の胚とは違う組織だと指摘する。「胚盤胞に似た構造を形成することは簡単ですが、見た目だけではわかりません」
リブロンの研究室は胚に似た細胞を初めて人工的に作成したチームだ。2018年に行われたその実験では、マウスの幹細胞が自己組織化して胚盤胞を形成するのを観測した。胚盤胞は本来、卵子が受精してから5〜6日後に形成される構造だ。リブロンらはこうして形成された球状の組織を「ブラストイド」と名付けた。
21年になると、複数の研究所が幹細胞を用いたヒトのブラストイドが作成可能であると示した。その翌年にはケンブリッジ大学とカリフォルニア工科大学の研究者たちが、マウスの幹細胞から胚を作成し、心臓の鼓動や、脳の基礎となる神経ひだを確認したと報告している。これらは自然な胚では8日半の成長を経て初めて確認されるものだ。
https://wired.jp/article/stem-cells-monkey-synthetic-embryos/
「モデル」から生物が生まれることはあるのか
これらの実験を手がけた科学者たちは、実験内で生成された球状の組織は実際の胚ではなく、あくまでもモデルであると強調している。幹細胞研究のガイドラインを定めている国際幹細胞学会（ISSCR）は、こうした組織を妊娠のためにヒトに移植することを禁止している。
科学者たちは、モデルを利用することで妊娠初期の過程をよりよく理解することができると考えている。「サルは進化的に人類と密接に関連しているため、早期流産の原因解明などを含め、ヒトの胚の成長に関する理解を深めることができると考えています」と、論文の著者の1人で上海にある中国科学院に所属するゼン・リュウは声明で説明している。
モデルとはいえ、サルで試した結果はヒトでも起こる可能性が高い。「このモデルを使えば、妊娠を発生させるまではいかなくとも、マカクのホルモン系統に妊娠していると思い込ませることができるのです」と、スタンフォード大学医学部のCLB（法と生命科学センター）のディレクターを務めるハンク・グリーリーは語る。「これはつまり、サルの子どもが生まれる可能性がいくらかあることを示しているのです」
米国内では胚の研究は批判を受けやすい。宗教上の理由から反対する人が多いからだ。ほとんどの州はヒトの胚に関する研究を許可しているが、連邦政府の法律は公的資金が胚の作成または破壊に使われることを禁止している。
英国やカナダ、韓国を含むいくつかの国は、研究室でヒトの胚を受精後14日以上（これは中枢神経系の最初の徴候が現れる時期）育てることを法律で規制している。ほかの国では、14日の規制をあくまでもガイドラインとして設けているところが多い。このガイドラインはもともとISSCRによって提示されたものだったが、同団体は21年にこのルールを緩和し、個別の審査を経ることで14日以上にわたってヒトの胚を扱う実験を認める場合もあるとしている。
人工胚を使うことは、研究者たちがこうした規制に縛られずに研究をする手段となっている。しかし今後、人工胚の技術が洗練されていけば、別の懸念が浮上する。「人工胚から生物が生まれることはあるのか、という問題です」とグリーリーは語る。「もしそれが可能なら、人工胚は自然の胚と同じように扱われるべきです。そうでないなら、胚と同じように扱う必要はありません」
グリーリーは、この問いに答えるために、今回の論文のような実験を続ける必要があるとしている。一方でヒトの胚で実験することは倫理的に問題があると考えている。なぜなら、もしその結果子どもが生まれてしまった場合、先天異常や遺伝子疾患を抱える可能性があるからだ。
リブロンも同様に、ブラストイドを用いて動物を妊娠させようとする科学者たちは慎重に進むべきだと語る。なぜならブラストイドは正しく成長しない可能性が非常に高いからだ。リブロンは、現状の研究ペースでいけば５年以内にはブラストイドからマウスが生まれるだろうと考えている。「研究が正しく実施されるために、わたしたちはこれを段階的に進めるべきだと思います」
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今回の論文の研究チームは、この研究が議論を呼ぶ可能性があることを十分に認識している。研究者たちの声明によると「この種の研究には倫理的な懸念があることを認識しているが、今回の人工胚と自然な胚盤胞の間にはまだ多くの違いがあることを強調したい」とのことだ。「今回生成された人工胚は完全な発達能力を持ち合わせておらず、その点で自然な胚と大きく異なっています。この分野が発展していくには、科学者たちと一般市民の間で議論を重ねることが重要です」
（WIRED US/Translation by Nozomi Okuma/Edit by Ryota Susaki） 欧米の生命実験は綺麗な生命実験
中国の生命実験は汚い生命実験
中国のネガキャンどんだけやれば気が済むんだよ西側反共勝共保守右派カルトさんさあ 幹細胞使うんだったら倫理的問題はクリアできてるのかな
結構マカクとヒトは遠いし ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
