日本映画はなぜ「漫画原作ばかり」なのか 井筒監督が語る、製作委員会制の弊害

日本映画は日本経済と一緒でまったくダメ。手堅く稼ごう、とにかく採算取れたらいいとしか考えてないから。
(略)
「小説や漫画を元にしたウソ話ばかり」 日本で骨太な作品が生まれないワケ

日本はいまだに小説や漫画を元にした絵空事のウソ話ばっかり撮ってる。
今日び、欧米では『ディス イズ トゥルーストーリー』って頭に書かないと客が入らないくらいだからね。
日本ではほぼ無しでしょ? 『これは実話です』って映画。

俺らは実際の事件や出来事を取材しまくって、それを元にして映画を作るけど、そういう作り方をしてる人ってなかなか少ない。
イージーマネーを稼ぎたい3000万しか出さない製作委員会の会社はそれが真実かどうかなんてどうだってよくて、
適当な出版社の漫画原作でいいわけよ。そこが違うんだよね、物語の作り方が。
取って付けたような物語か、実際にあった出来事なのか。

日本人は漫画が好きだから、ウルトラマンでもゴジラでもドラえもんでも、虚構からしか出発してない。
でも、江戸期の戯曲はけっこう本当の話が多かった。忠臣蔵も四谷怪談も心中物も実際にあった話で、いわゆる報道特集だよ。
だから、ヒットして、芝居になって回ってたんだけどね。
ドキュメンタリーを作りゃいいというわけじゃないけど、いつの頃からか日本映画はまったくの戯言になった。
骨太な歴史モノ、事件モノが見事に消えたね」
https://encount.press/archives/333768/