スシロー「回るすし」今夏にも再開へ…迷惑行為対策徹底、食品ロス減へレーン限定のネタも

 回転寿司チェーン最大手の「スシロー」は、客が注文していないネタを回転レーンに流すサービスを、今夏をめどに再開する方針を明らかにした。客の迷惑行為を受けて2月から中止しており、対策を徹底した。業界の課題である食品ロスを抑えるため、「レーン限定」のネタを店内アナウンスして提供し、回転寿司が売りにしてきた「エンターテインメント性」とSDGs(持続可能な開発目標)の両立を図る。

 親会社のフード&ライフカンパニーズ(大阪府吹田市)の水留浩一社長が読売新聞のインタビューに応じ、「(多彩な寿司を)流している方が活気がある」と語り、サービス再開に意欲を示した。レーンを見ながら食べたい寿司を選ぶ楽しみ方は子供を中心に人気がある。

 スシローでは今年初めから、客がしょうゆボトルの注ぎ口をなめたり、寿司皿に消毒用アルコールとみられるスプレーを吹きかけたりする動画がインターネットで拡散した。それを受け、タッチパネルで注文された寿司だけをレーンで流す方法に変更した。レーンとテーブルとの間にはアクリル板を設置し、客が迷惑行為をしにくい構造に変えた。

 以前から業界では、レーンに流して一定時間が過ぎた寿司は廃棄するケースが多かった。

 スシローは、売れ残りを減らすため、レーン限定のネタを店内アナウンスを通じてアピールしたい考えだ。ハマチやブリなどで脂ののり方が異なる希少部位や、余った部分を集めた軍艦などを想定している。水留社長は「レーンに流して意味のあるものだけにしたい」と強調した。

 一連の迷惑行為は業界全体で発覚し、「すし銚子丸」は4月までに全店でレーンを使った提供を取りやめた。今回、最大手のスシローがサービスを再開する方針を示したことは、他社にも影響を与えそうだ。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230523-OYT1T50154/
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