アパホテル・元谷芙美子社長、貯金は「50万~60万円」と告白 いったい何にお金を使っているのか?

 開業39年で全国に700棟以上のホテルを経営する日本最大のホテルチェーン・アパホテル。その部屋数は11万室を超え、グループ年商1300億円超(建築・設計中、海外、FC、アパ直参画ホテルを含む)を誇る。社長の元谷芙美子さんは言うまでもなく、日本有数の資産家だ。だが「宵越しの金は持たない」とキッパリ。なんと貯金は「50万~60万円くらいしかないと思います」と話す。

「グループ代表でもある夫にあるとき“老後が心配だから、貯金したい”と話したら“バカ言うんじゃない、いまが老後や”と言われました。それで“よし、使い切らんといかん”と思い直して。

 わが家は2人の子供への財産分与も終わっているので、稼いだお金は全部使い切ろうと思っています。これまでも、お金はあればあるだけ、好きに使ってきました。おかげさまで楽しくストレスもなく、後悔なんてひとつもなく、病気にもなっていません。ありがたいことです」(元谷さん・以下同)

 最近の大きな買い物を聞くと「ホテルを1棟」と話す元谷さん。トレードマークの帽子はもちろん、着るものや食べるものなどさぞお金をかけてきたのだろうと思いきや、取材日に着ていたルイ・ヴィトンのワンピースのインナーは「ユニクロでまとめ買いしたシャツ」だという。

「ユニクロが大好きで、時間がもったいないから行くたびに12枚まとめ買いします。急なパーティーにもお悔やみにもすぐに行けるよう、服はいつもモノトーン。時間はお金では買えない大切なものですから。

 宝石も洋服も昔はたくさん買ったけど、いまはそこまで欲しいとは思いません。でも、ずっと同じ服だとやっぱり気分が上がらなくて……似たようなのが何千着もあるのに欲しくなってしまうことはいまもあるの。いけませんね(笑い)」

 では元谷さんの“お金の使い道”とは。迷わずお金を出すのが「食事」。食べることそのものはもちろん「大勢で食卓を囲むこと」が大好きなのだという。

「予定が合えば、必ず社員や友人、お客さんを連れて10人くらいで外食します。同じ金額を出すなら、自分のために宝石を買うより、みんなでおいしいものを食べた方がずっと幸せでしょう?」

 元谷さんは、「まわりに幸せを返す」ことを心がけている。

「こんなに楽しい仕事で、毎日幸せ。楽しいから、お金を使ってストレスを発散する必要がないの。3000円でも5000円でも、お金にゆとりができたら、自分よりもみんなに、プレゼントを買ってあげるのが大好きなんです。社員やお世話になった人、お嫁さん、孫。それでも余ったら、そこで初めて自分のものを買います。もう、それが当たり前になっているんです。私がいま幸せだから、まわりにも返したくなる」(元谷さん)

 お金の使い方に、その人の人生哲学が垣間見える。
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