婚活歴5年、「40代資産家」男性が振られ続けたワケ

40代半ばの長谷川さんは、2020年2月に入会。長谷川さんは都心から通勤圏内にある駅前の一等地に、マンション数棟、店舗数棟、ホテル、駐車場など広大な土地を所有する大地主の跡取り息子です。ふだんは父親が所有するマンション1階の店舗オーナーとして仕入れ業務を行うほか、マンション管理を行っています。
入会する前は他の相談所2社で5年ほど婚活していたそうです。婚活を始めた理由は「子どもがほしい」。女性とお付き合いした経験はまったくありません。婚活も苦戦に次ぐ苦戦。前の相談所ではなんのアドバイスもなかったらしく、お金と年月を無駄にしてしまいました。
私はまず苦戦の原因を探りました。長谷川さんのプロフィールを見ると、年収が「450万円」と書かれていました。実家暮らしということもあり、生活費はかかりません。だからお給料は300万円程度で、その他株などの収入を合わせても450万円前後の収入だったようです。
長谷川さんは大学卒業後、2年間企業に勤めていましたが、その後、家業を手伝うことにし今に至ります。生活も仕事も親の庇護下にあります。
よく着ている洋服も15年以上昔のもので、サイズも全然合っていないのです。そこで買い物に同行し、お見合い用のスーツとデート用の洋服を選びました。
そんな長谷川さんですが、いいところもあります。まず、まじめ。週4回、深夜1時から2時の間に、マンションのゴミ置き場に行ってゴミ袋をすべて開けてビンと缶と分別するそうです。ゴミを開けるところを他人に見られたら怪しまれるので、寝静まっている深夜にしているそう。
その後も婚活を続けましたが、デートした30代前半のさやかさん(仮名)からは、「この先お付き合いを続けていけるか不安を感じた」と言われてしまいました。
不安にさせた言葉は3つありました。まず貯金額を聞かれたそうです。さやかさんが正直に答えると、「少ないね。30代なら300万円くらいないとね」と批判的なことを言われたそうです。
2つ目は「私のどこがいいと思ったんですか」と質問したところ、気に入ったところではなく「体型がちょっとね⋯⋯」と、逆に気に入らない点を指摘されたとのこと。さやかさんは少しぽっちゃりしているところを気にしていました。
長谷川さんは社会に出て働いた経験は2年しかありません。その後は、父親が所有するマンション1階の店舗で仕入れを担当し、やさしい家族に守られて、他人と話す機会はほとんどない生活を送ってきました。行動範囲も自宅と店舗をエレベーターで上り下りするだけ。電車に乗る機会といえば、弊社でのカウンセリングかお見合いのときのみ。趣味はゲームです。
すれていない、素直な少年のようなところが長谷川さんのいいところでもあるのですが、裏を返せば、率直すぎてなんとなく思いついたことを、言葉を選ばずに口に出してしまうのです。

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