アメリカ政府の債務上限引き上げ バイデン氏と下院議長が会談も合意に至らず 資金枯渇の恐れまであと10日

米連邦政府の借入額を定めた債務上限の引き上げを巡り、バイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長は22日、
ホワイトハウスで会談したが、合意には至らず協議を継続することになった。互いに交渉は「生産的だった」と強調したが、
政府の手元資金が枯渇する可能性の6月1日まで、残された時間はあと10日となった。

バイデン氏は会談後、政府が国債を償還できなくなるなどする「デフォルト(債務不履行)」の回避に向けて
「生産的な会談だった」との声明を発表。しかし「意見が分かれる部分もある」として、「前進するための話し合いを続ける」と述べた。
マッカーシー氏も「これまでになく良い議論ができた」と報道陣に語ったが「まだ何も合意していない」と述べた。

イエレン財務長官は22日、議会が上限を引き上げなければ、6月1日にも資金繰りが行き詰まる可能性が「非常に高い」との書簡を、
改めてマッカーシー氏らに送った。

下院の過半数を占める共和党は、引き上げを認める条件として大幅な歳出削減を要求。
バイデン氏は21日に「1兆ドル(約138兆円)以上の歳出削減計画を示した」と譲歩の構えを示したものの、
低所得層向けの公的医療保険制度など政権が重視する政策費の削減を共和党側が求めているとして反発していた。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/251920