米会計関連の資格CPA、CMA、CIA、EAで平均スコア85.1%
ChatGPTが「会計・監査業界に多大な影響もたらす」可能性と研究者
生成人工知能(AI)「ChatGPT(チャットGPT)」の最新モデルが難関とされる米国公認会計士試験の合格ラインを上回った。前のバージョンが不合格になってからわずか数カ月で合格にこぎ着けた。ブルームバーグ・ローが伝えた。

  米独の研究者から成るチームの調査リポートによると、米国の会計関連の主な資格である公認会計士(CPA)、公認管理会計士(CMA)、公認内部監査人(CIA)、EA(税理士)の試験を解かせてみたところ、最新版「ChatGPT4」は平均スコア85.1%と好成績を上げ、全て合格した。4つの試験とも合格率は50%前後。

  この結果はChatGPTが「会計・監査業界に多大な影響をもたらす」ことを示唆していると同リポートは指摘した。前バージョンのChatGPT3.5を用いて数カ月前に行った実験では不合格だったという。

  同チームの研究者でブリガム・ヤング大学教授(会計学)のデービッド・ウッド氏はパフォーマンスが今回改善したのは、主にChatGPTの「推論・行動」を可能にする新たなプラグインのためだと説明した。

  同氏はChatGPTが近く業界に及ぼす影響を過大評価しないよう自制を促す一方で、スタッフ不足に直面している会計士の助けになるなら大きな可能性があると指摘する。

  「この技術は興味深く、エキサイティングだ。しかし他の全てのスキルを用いてどう応用するかを知る必要がある。会計監査や納税申告ですぐに使えるわけではない」とし、「ひょっとしたら退屈な作業をこなす手助けになり、われわれはより面白い分野に集中できるようになるかもしれない」とヤング氏は語った。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-23/RV37NLT0AFB401