◆汚染配管の撤去、相次ぐミス
 ところが、カバー設置の前提となる工事が進まず、23年度ごろとする設置目標も達成に暗雲が漂う。
 設置場所は1、2号機と排気筒を結ぶ配管約110メートル分と重なり、配管の撤去が避けられない。事故時の排気(ベント)に使われた配管は人が近づけないほど高濃度に汚染し、昨年3月から遠隔操作で撤去を始めた。

 これがうまくいかない。切断装置の不具合や手順ミスが続き、これまでに成功したのは約20メートル分だけ。6月中に撤去を終える計画だが、延期を繰り返しており、先行きは見通せない。

 圧力容器の土台損傷が発覚し、緊急時の影響緩和につながるカバー設置は重要性を増した。汚染配管撤去は緊急を要するはずだが、東電の危機意識は低い。8日の会見で、作業を失敗した下請け企業への対応を問われ、広報担当者はひとごとのように答えた。「われわれがどこまで関与しなければならないのか」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/252190