トラックドライバーの婚活事情 「出会いはない」70.3%|物流ニュース|物流ウィークリー|物流・運送・ロジスティクス業界の総合専門紙
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「絶対にトラックドライバーだと明かしてはならない」―。こう話すのは、トレーラ運転者の男性。振り返るのは、彼が若かりし頃の合コン現場での出来事だ。その場にいたドライバーは皆、偽りの職業で参加していたという。ドライバー職は、婚活や恋愛市場でそれほどまでにマイナス面が強いのか―。ドライバーの婚活事情を探った。
トラックドライバー求人サイト「ブルル」がドライバー303人を対象に「出会いはあるか」と聞いたアンケートでは、70.3%が「ない」と回答。「ある」と回答した18.5%を大きく突き放す結果となった。
ドライバーからは、「出会いなんてまったくない」という悲鳴が次々に寄せられた。やはり、まだまだ男性社会のようだ。

あるドライバーからは、「地場なら出会いはあるが、中長距離だと世間と疎遠になる」という声も。「中長距離の運行だと、意中の相手がいても次に会う約束がなかなかできないのが致命的」と、先の予定が読みにくい勤務形態ならではの悩みを打ち明ける。
前述のように、働き方の面で、出会いや婚活に縁がないと嘆くドライバーが多かった。「1日の半分以上を労働に費やし、週1回の休みは出掛けず寝る時間になる」「昔は出会いもあったが今はどうでもいい。帰宅したら外に出る元気すらない」
「『ドライバー=3K金なし』のイメージがあるから、婚活では不利なのでは。みんながそうではないけど、巷の印象ってそんなもんだと思う」と、ドライバー職のイメージが婚活市場で不利に働くと分析するドライバーも少なくない。
「婚活中の女性の友人に『トラックに乗っている男性はどうか』と聞いてみた」と切り出すのは、とあるドライバー。その女性の回答は、「ブラック企業が多く、労働時間が長い。就業時間が不規則なのに収入が『中の下』で子育てがワンオペになる。業界の将来の見通しも暗い」という指摘だった。さらに、「事故で命や仕事が失われるかもしれない」とリスク面にも懸念を示したという。
「婚活でトラックドライバーなんて言ったら即排除」「むしろ、余計な人間関係を避けるためにドライバーをやっている」という声もある一方で、「運転者同士のみならず、荷受けのリフトマンや受付担当者と懇意に…というケースもままある」「前職の運送会社で今の旦那を捕まえた」など、出会いや婚活に希望が持てる発言もあった。
また、近年の世相も後押ししてか、SNSやマッチングアプリなど、ネット上での出会いから結婚に至るケースもあるようだ。「ネットからだと会うまでにお互いの性格などがある程度分かっているから、初対面が『初めまして』の感じじゃない。気が楽」と、出会いのハードルが下がると話すドライバーも。
出会いの方法は時代によって様変わりしているが、世間一般のドライバーのイメージや運送会社の働き方などが婚活においてネックになっているようだ。物流業界が抱える人材不足という課題の根本的な改善が、ドライバーの婚活市場にも影響を与えそうだ。