4月中旬、チュニジアで衝撃的な事件が起きた。
同国でプロサッカー選手として活躍していたニザル・イサウリ氏(35)が、バナナの購入を巡って焼身自殺したのだ。
原因はバナナの価格にあった。イサウリ氏がバナナを買おうとしたところ、政府の定める価格の2倍にあたる10チュニジア・ディナール(約500円)で販売されており
、警察に苦情を申し立てたところ、なんとテロ行為であるとしてイサウリ氏は逮捕されてしまったのだ。
イサウリ氏は事件後、自身のフェイスブックに警察への非難動画をアップ。
そこで「もう疲れた。この警察国家に今日、刑を執行してやる」と宣言し、別のSNSで「私が自身に下す判決は“焼身”に決めた」と投稿した。
なぜこんな悲劇が起こってしまったのか??。国際ジャーナリストの山田敏弘氏が解説する。
「チュニジアの貿易赤字は約252億チュニジア・ディナール(約1兆円)と国内経済が厳しい状況にあります。
新型コロナの影響で失業率も高く、物価も上がっており、インフレ苦でIMF(国際通貨基金)に19億ドルの融資を求めています。
バナナすら買えないほどインフレが進んだ経済的ストレスに対して、イサウリ氏は不満を爆発させたのだと思います」
https://friday.kodansha.co.jp/article/311282