ユーチューバーまねる児童「先生なのに知らんの?」…クラスに波及、整列の指示も反応せず

5/29(月) 12:19配信

 ネットの情報を信じ込み、授業や学級運営に支障が生じる――。文部科学省は「問題が起きているのは一部の学校にとどまり、限定的との認識だ」とするが、対応に苦慮する教員は少なくない。

 首都圏の公立高校に勤める男性教員(33)が昨年度に授業を受け持った2年生の中に、スマホを手放さない男子生徒がいた。

 「今の中国はバブルが崩壊した日本と同じだ!」。中国の経済発展を扱っていた時、彼は急に叫んだ。ロシアのウクライナ侵略後は「日本も徴兵制になる」と主張。男性教員は発言の度に注意したが、「先生、ムキになっちゃって」とかわされた。

 時々、発言の根拠を問うと、男子生徒は決まって「ネットで色んな人が言ってますよ」と答えた。後に、保守的な言動で知られる作家らのツイッターを複数フォローしていたとわかった。「アルバイト先で一緒の中国人や韓国人の悪口も増え、考えや価値観が偏っていくようで心配だった」という男性教員。「でも、どうやってそのことを伝えればいいのか。正直、難しかった」と思い起こす。

 兵庫教育大の秋光恵子教授(学校心理学)は「知識や考えを主張する子どもは以前からいたが、ネットの普及で、その内容が偏向したり過激化したりしている。周りの子どもが感化されないよう、当人だけでなく教室全体で問題点を考えるようにする必要がある」と話す。

https://news.yahoo.co.jp/articles/14d0784c87f5a7d4642f8d641371a10c921d0f81