2020年に開催されたRiot Games公認のアジア大会Epulze Royal SEA Cupで意図的に敗北したとして、Resurgenceに所属したシンガポール人のプロ選手Germsg、そしてそれに関与したDreamyに有罪判決が下されたことが明らかになりました。
シンガポールの大手メディアThe Straits Timesによると、GermsgとDreamyは2014年頃から一緒にゲームをプレイする共通の友人でした。その後2020年にGermsgはプロ選手となり、eスポーツチームResurgenceのキャプテンとして、VALORANTの国際大会に出場していました。
そして2020年8月、DreamyはギャンブルをするためGermsgから1,000シンガポールドル(当時のレートで約8万円)を借りますが、赤字が続き返済ができなくなります。当時Germsgは返済を要求し続けたものの、Dreamyはそれを拒否し続けました。
2020年9月、Epulze Royal SEA CupでBlackBird Ignisと対戦予定だったGermsgは、Dreamyから試合で意図的に敗北しギャンブルサイトで利益を出す計画を提案されます。Dreamyは自身の兄から3,000シンガポールドル(約24万円)を借りることで資金を調達できると説得し、それが唯一の返済方法だと考えたGermsgは計画を受け入れました。
そしてGermsgは、チームメイトにも意図的に負けるように指示を出し、0-2でBlackBird Ignisに敗北。結果、ギャンブルサイトで7,019シンガポールドル(約56万円)の利益を出し、2,719シンガポールドル(約21万円)を自身の手元に収め、残りをDreamyとその兄、友人に譲渡しました。
しかし翌年6月、Resurgenceのスタッフが八百長の疑いで警察に通報したことで事件が発覚。両者は同年8月に起訴され、今年、Dreamyには6ヵ月の改革的訓練、Germsgには4ヵ月の懲役となる有罪判決が下されました。
備考:シンガポールでは執行猶予制度がなく、改革的訓練(reformative training)といった加害者の更生と犯罪の防止を目的としたトレーニングプログラムが存在する。21歳未満の犯罪者にとって非常に重い量刑で、犯罪歴として経歴に残る。
なお、Riot Gamesは事件が発覚した2021年6月、両者に36ヵ月の公式大会出場停止処分を下しており、当時のチームメイトには八百長を隠蔽していたとして、JabTheBoy、Boplekには1年、benafには6ヵ月の出場停止処分が下されました。
https://www.valorant4jp.com/2023/05/42020blackbird-ignis.html