赤間被告は5月22日の初公判罪状認否において、この第1事件のみ「性器に挿入というのは違います」として一部否認している。弁護人も「強姦は本人の意志で中止した」と主張した。

 2017年の刑法改正で強姦罪から強制性交等罪に名称が改まった。強姦罪は「女子を姦淫」することだと定められていたが、強制性交等では処罰される行為が「性交、肛門性交又は口腔性交」と定められた。被害者の性別も問わない。つまり刑法改正前は「暴行・脅迫を用いて女性の膣内に陰茎を挿入」しなければ強姦罪は成立しない。

 赤間被告は「Aさんの肛門には挿入したが膣には挿入していない」として否認しているのだ。

「当日は手袋、ナイフ、カメラ、ガムテープ、コンドームや目出し帽、電動歯ブラシ、ナイフを用意して行きました。ナイフは刃渡り10センチから15センチの、鞘付きのものです。カメラを持って行ったのは、記録と写真を撮るためです」

 被告人質問では、ぼそぼそとした語り口で、犯行に持参した道具を挙げる赤間被告。黒のジャージを着用し、頭髪に毛はない。中肉中背の初老の男だが、逮捕当時は体格が良く、がっちりしていた。

このマンションを選んだのは赤間被告が以前、同じマンションに強姦のために侵入した時に「女子寮」だったことを聞き出していたからだ。起訴されている事件は4件だが、それ以前から罪を重ねていた。

「バス運転手をしていて経済的に苦しかった。金を奪うことが主目的だった」と小声で述べていたが、強姦の準備を完璧に整えて出向いたようだ。