2023年5月30日、香港メディアの香港01は、中国の国産ジェット旅客機C919が就航したことについて日本のネットユーザーから「日本のMRJは失敗したのに、C919はなぜ成功したのか」との声が出ていると報じた。

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記事は、中国の国産中型ジェット旅客機C919が28日に初就航し、ARJ121に続く中国産ジェット旅客機の就航になったと紹介。C919初就航の一方に日本のネットユーザーからは「日本にとっては憤慨すべきニュースだ」「どうして中国は成功して、日本のMRJは失敗したのか」との声が寄せられていると伝えた。

その上で、三菱重工が戦後初の国産旅客機として開発を進めてきた定員70〜90人の小型機MRJの経緯について言及。08年に開発が始まり、15年に試験飛行が成功すると400件余りの注文を受けたものの、最後の安全審査、認証の段階で問題が発生して納期がたびたび延期され、その後「スペースジェット」と名称を変更して再起を図るも23年2月に開発の断念に至ったと説明した。

そして、MRJが実用化に至らなかった理由について設計上の問題や欠陥の発見ではなく、米連邦航空局(FAA)のルールに基づき開発を進めたことにあるとの見方を紹介。16年にMRJの設計や各種文書がFAAの認証を受けられず、その後外国のエンジニアや経験豊富な専門家の協力を受けながら開発を進めるも認証が得られないまま時間が経過し、認証のハードルがますます高くなる中で認証取得に必要な時間と人的物的リソースの確保が困難になったと伝えた。

一方でC919は、基準が厳格で取得にかなり長い時間を要するFAA認証の取得をとりあえず目指さずに開発を進めたことで、MRJに比べてスムーズに開発が進んだと指摘。「MRJが失敗した原因の一つは、最初から国際認証を得ようという袋小路にはまってしまったことだ」とした。

https://www.recordchina.co.jp/b914892-s25-c30-d0193.html