一般社団法人「Colabo(コラボ)」は1日、虐待や性暴力を受けて家に居場所がない少女らを支援する活動について、寄付金で継続すると発表した。これまで、公的な事業として展開していたが、東京都による新事業の枠組みでは、「安心した支援につながらない」として、補助金の申請を断念したという。

公的機関につながりにくいとされる少女らの支援は行政と民間団体が協力して取り組む。コラボの活動は2018~22年度、都の委託事業となっており、各年度約1000万~4600万円が計上されていた。

 都は「多くの団体による得意分野を生かした支援を目指す」とし、23年度から支援団体を公募し、補助金を支出する仕組みに移行した。支援団体には新たに、▽活動日報や個人別支援記録の作成▽都の要請に応じた支援記録の開示――などを求めた。

1日に東京都庁で開いた記者会見で、コラボの仁藤夢乃代表は補助金の交付申請をしなかった理由について「SOSを出しても大人に助けてもらえなかったり、虐待を相談したら親に伝わってさらにひどい目に遭ったりなどして行政に不信感を抱く少女は多い。都への情報開示に同意を求めた支援は成り立たない」と説明した。

一方、都は支援記録の開示要請は女性相談センターとの連携時などを想定しており「全情報を都が保有するわけではない」と説明。補助金は実施した支援内容や掛かった経費に応じて支払うため、厳正な報告が必要としている。

 コラボの支援活動は、22年12月から妨害行為が相次いだことなどから23年4月、従来の新宿区役所前から約600メートル離れた民間施設の屋上に実施場所を移した。活動資金は寄付金で賄い、月2回程度、10代の女性らに食品や衣類、生活必需品などを提供し、相談に乗る活動を続けるという。【デジタル報道グループ】

https://mainichi.jp/articles/20230601/k00/00m/040/121000c