首相公邸忘年会問題、建造物侵入罪成立の可能性は?
https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20230603-00352338

そこで、上記の判例で「管理権者の態度、立入りの目的などからみて、現に行われた立入り行為を管理権者が容認していないと合理的に判断される」とされていることから、「管理者の岸田首相の態度」がどうであったかが問題になる。私的スペースでの忘年会の際に、岸田首相が、

「この機会だから、忘年会に来た人達に、公邸の中を案内したらよい」

というような態度を示していたのであれば、「管理者が容認していた」と判断されることになる。

一方、岸田首相が忘年会に参加している間には、公的スペースに行く話は全くなく、その後、酒に酔った勢いで翔太郎氏が勝手に同年代の親戚を案内して問題の写真を撮ったということであれば、「岸田首相が容認していないと合理的に判断される」ということになる可能性がある。

物理的に公的スペースへの出入りが可能だった場合でも、立入の目的によっては、建造物侵入罪が成立することはあり得る。例えば、会社の事務所の鍵を所持している社員でも、会社での仕事の目的と関係なく、会社が容認しない目的で事務所に入った場合に、建造物侵入罪が成立するのと同様だ。