富士通の2023年3月期決算、最高益となるも中計「本業利益率10%」は達成できず

 富士通は2023年4月27日、2023年3月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。売上高に当たる売上収益は前期比3.5%増の3兆7137億円、営業利益は同53.1%増の3356億円と増収増益だった。デジタル化やモダナイゼーション(近代化)など国内SI(システムインテグレーション)案件の受注が好調だったほか、部材供給遅延の解消が進み、営業利益として過去最高だった。

 本業の「テクノロジーソリューション」は、売上収益が同3.9%増の3兆1765億円、営業利益が同94.9%増の2631億円、営業利益率が同3.9ポイント増の8.3%だった。「国内を中心にソリューションサービスの需要が拡大した。内製化や標準化による生産性の改善も進み、収益性が向上した」と時田隆仁社長は胸を張る。

 一方で、2023年3月期を最終年度とする中期経営計画で本業の営業利益率を10%にする目標については、未達で終えた。時田社長は「大変残念であり、経営として大きな責任を感じている」と述べた。円安によるコスト増の影響があったほか、ハードウエアの販売が伸び悩んだという。

 今回の決算発表と併せて開示した2024年3月期の業績予想は、売上収益を前期比3.9%増の3兆8600億円、営業利益を同1.3%増の3400億円とした。
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