大雨被害の埼玉・越谷、住民「冠水する土地と聞いていたが…ここまでひどいとは」
2023/06/05 15:12

埼玉県東部を中心に記録的な降水量が観測された大雨で、県は4日、越谷市や松伏町などで住宅の床上浸水が約600棟、床下浸水が約3100棟に上るとの見通しを発表した。
建物や乗用車などの被害に加え、商品が被害を受けた店舗などもあり、県や自治体は被害の全容把握を急いでいる。

24時間の降水量が観測史上最大を記録した越谷市では、4日も住民が後片付けに追われた。東武伊勢崎線せんげん台駅前の書店は、床上約30センチの浸水被害に遭った。

大雨予報を受けて商品を棚の上に移していたが、一部の書籍や文具は対応が間に合わず、ぬれて販売できなくなった。同日朝から店内でモップがけや消毒作業をしていた店長の男性(53)は「大変だが、早く店を再開するために頑張る」と話した。

同市東越谷の県道沿いの理髪店は、店内に流れ込んだ泥水のにおいが取れず、いすなどの廃棄処分が必要になった。同店の男性(28)は「営業再開のめどは立っていない」と落胆した。近くの写真店でも壁紙や床が泥水につかり、経営する男性(44)は「張り替えなどにかかる出費がかさみ、かなりしんどい」と肩を落とした。

同市増林では、道路の冠水でエンジンがかからなくなった乗用車を越谷署員らが数人がかりで押して撤去作業を進めた。

近くに住む会社員の男性(31)は「冠水する土地だとは聞いていたが、ここまでひどいとは思わなかった」と話した。

埼玉県は3日に越谷市と草加市、松伏町に災害救助法の適用を決めており、被害復旧に必要な費用は県と国が負担する。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230605-OYT1T50087/

冠水した道路で動かなくなった車を押す越谷署員ら(4日、越谷市で)
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水につかった書籍や文具の廃棄作業に当たる書店の店長(4日、越谷市で)
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