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“グランパス復帰弾”で逆転勝利呼んだ和泉竜司「豊スタで決められたのは大きい」

◇3日 J1第16節 名古屋3―1C大阪(豊田スタジアム)
 名古屋グランパスはMF和泉竜司(29)の移籍後初ゴールなどでC大阪に3―1で逆転勝ちし3連勝とした。
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 開始4分の失点で立ち込めた不穏な気配を、和泉が振り払った。前半21分、敵陣中央でマテウスから永井への縦パスが入る瞬間、猛然とエリア内へとダッシュした。「(永井)謙佑君に入った時に『もう来るな』と感じた」
 想定より短くなった永井からのパスは「待つのではなく、うまくボールに寄って」足元へ収め、左足でねじ込んだ。グランパス所属選手として1302日ぶりに豊田スタジアムで受ける歓声。復帰後初ゴールで、逆転勝利を呼び込んだ。
 「個人的に今年、点を取れてなかったので、欲しかった。豊スタで決められたというのもまた、僕にとってもサポーターにとっても大きいと思う。得点もうれしいし、それ以上に3連勝できたことがもっとうれしい」
 4年ぶりにグランパスへ復帰した今季、主にウイングバック(WB)を任されてきた。求められるのは、得点の前に献身的なランニング。それでも「前の3枚だけでは相手も守ってくる。WBやボランチが得点できると相手としては難しくなる」と、自らがゴールを奪う意味を強調した。
 得点以上に、献身的な働きが目立った。和泉の得点を皮切りに、前半31分にCKからDF丸山のボレーで逆転。そして、同43分にはマテウスが追加点。2点のリードがあったにもかかわらず、試合終盤に相手GKのところまで、トップスピードでボールを追う場面もあった。「行けるところまで行こうと思っていた。出し切って無理なら、代わる選手はいる」。終盤、守勢に回った札幌戦(27日、札幌ド)と同じ展開を避けたかった。
 志願して、今季から7番を背負う。市船橋高の先輩・中村直志さん、そしてJ2時代を戦ったMF田口泰士(現千葉)。歴代の「7」には、特別な思いを持っている。苦境を脱し、勝利へ導く。その意味を、背中で語ってみせた。