リクルートの大学生対象のオンラインセミナーで社員が学生を装って質問していた問題をめぐり、同社は5日、「学生の皆さまに対し不適切な行為・発言がありましたこと、心よりおわび申し上げる」と謝罪する声明を発表した。

 同社が運営する就職活動に関するオンラインセミナーについて、朝日新聞は4日、同社の社員が「サクラ」と称して「イベントには私服で参加しても良いですか」などと質問する行為を繰り返していたと報じた。同社は朝日新聞の取材に対し、こうした行為が2021年4月以降、少なくとも20件のセミナーで行われていたことを認めていた。

 同社が運営する就職情報サイト「リクナビ」に掲載された声明では「質疑応答コーナーにおいて、参加学生が質問しづらい雰囲気になりがちであったことに対し、質問しやすい雰囲気作りのきっかけとして、過去の代表的な質問をその場に投げかけていた」と釈明した。

 同社はまた、社内のコミュニケーションツールで社員がセミナーを振り返り、「動物園を見事に手なずけていて素晴らしいです」と学生を揶揄(やゆ)する書き込みなどをしていたことも「不適切な発言」だったと取材に認めた。

 こうした行為に加え、社員が「サクラ」という表現を用いていたことも「不適切」だったとし、「不誠実な行為であったと大変厳しく受け止めている。今後、このような行為が再発しないよう、社内における教育、啓発に一層注力する」としている。(高橋諒子)

https://www.asahi.com/sp/articles/ASR6563QRR65ULFA018.html