https://news.yahoo.co.jp/articles/eeeed4a73af9c119c2da2ae3f9ca9a647891b6f8/images/000

【ワシントン=冨山優介】魚介類などに含まれる物質「タウリン」の補充が老化防止に有望であることを動物実験で確かめたと、米コロンビア大などの国際チームが8日、科学誌サイエンスで発表する。ただ、人への効果は臨床試験で検証するまで不明といい、チームは「老化防止目的で過剰摂取しないでほしい」としている。

 タウリンは人間の体内でも作られ、コレステロールを減らしたり、肝機能を強化したりする効果があるとされる。栄養ドリンクの成分としても知られる。

 チームは、マウス、アカゲザル、人からそれぞれ採取した血液を分析し、加齢に伴いタウリンが減ることを確認した。さらに、アカゲザルに1日1回、タウリンを投与する実験を半年間実施し、投与しなかったグループと比較した。

 その結果、投与したグループは、骨密度と骨量が増加した一方、膵臓(すいぞう)や肝臓の機能低下を示す物質が減るなど、加齢に伴う体の衰えが改善された。マウスで同様の実験を行うと、投与したグループは28か月以上生存する個体が増えたという。

 チームは、人で効果のある摂取量を1日3~6グラムと推計。欧州食品安全機関が、安全な摂取量の上限とする同6グラムの範囲内という。

 福井県立大の伊藤崇志教授(食品機能科学)の話「人に近いサルで、タウリンが老化防止に関わることを明らかにした重要な成果だ。ただ、人で効果のある量などは、今後の検証が必要だ」

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