「え、久しぶりじゃん」 店員がタメ口の「友達カフェ」が、どんどん新しい客を呼び込めるワケ


オープン当初からSNSでは「新鮮!」「楽しすぎた」などと話題に。Creative Group(東京都千代田区)の調査では「2023年上半期のZ世代トレンドランキング(モノ・コト部門)」で1位を獲得した。
SNSに投稿したくなるように、店員の演技は工夫にあふれている。従業員は演技経験がある人、エンタメ業界で活動している人に限定。研修やマニュアルは用意せず、「友達のバイト先に行ったときにどうなるか」をシミュレーションし、ロールプレイングを重ねている。
従業員は毎日営業後に「こういう時はどういう返答をすればいいのか」など互いにフィードバックをして、接客をアップデート。同じ接客は一度もないという。
また「友達がやってるカフェの面白さは、客も演技をしなくてはいけない、という部分にある」と明円さん。客が演技をしやすくなるように、メニューの名称に工夫も施す。ドリップコーヒーは「大変そうだから、すぐ出せるので大丈夫だよ」、クリームソーダは「店員さんの間で一番人気なのってどれ?」、カフェラテは「たしかラテ美味しかったよね?」――自然とメニューが読み上げるだけで会話が成立する「セリフ式のメニュー」を採用した。
客と店員を対等な関係にしたらどうなった?
友達がやってるカフェを着想したきっかけは、ある社員の一言だった。
「社員旅行中に『近くに友達がやってるカフェがあるんで、寄っていきませんか?』といわれて、なんかうらやましいなあと思ったんです」(明円さん)
日本では「お客さまは神様である」という文化が根強い。友達がやってるカフェでは、「利用者と店舗側の目線を等しくした時に、どんな体験が生まれるのか」ということを実験している。
「日本の接客、飲食店のサービスは本当に素晴らしく、完璧だと思っています。だからこそ、それがラフになり、友達の接客になったら、新しい切り口になると考えました。日本だからできるコンセプトです」(明円さん)
「普通なら良いサービスをされればされるほどうれしいもの。友達がやってるカフェでは、雑にされればされるほどうれしくなっちゃう――という逆のベクトルでの接客・顧客体験を提供しています」(明円さん)
実際に運営してみると、客が店舗側を思いやり、気を遣う行動が見られたという。
「友達がやっているカフェのユニークなところは、『お客さんの体験が変わる』ということ。混雑時に『席開けるよ』『私が席をつめたら他の人も座れるよね』という風に、友達だから優しさが生まれるんです」(明円さん)

https://news.yahoo.co.jp/articles/733323c25f42a5505be5562c2048c146ce748593?page=2

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