香典袋すり替えで窃盗罪に問われた葬儀場元従業員、マナー違反の赤帯封筒にすり替えて犯行が発覚か 初公判

愛知県安城市の葬儀場で今年4月、遺族が管理する香典袋をすり替えて、現金45万円を盗んだ罪に問われた元従業員の初公判が開かれました。被害発覚のきっかけは、香典の中に赤い帯のついた封筒が紛れていたことでした。


窃盗の罪に問われているのは、名古屋市昭和区の無職の男の被告(31)です。

起訴状などによりますと、この被告は今年4月、当時勤めていた安城市の葬儀場で、遺族用の貴重品ロッカーから男性(55)が管理する現金計45万円が入った9つの香典袋を盗んだとされています。

名古屋地裁岡崎支部で9日に開かれた初公判で、被告は「ロッカーから香典袋を差し替えて、そのうち24万円を盗んだ」と起訴内容をおおむね認めました。

検察側は冒頭陳述で、「男には妻と3人の子どもがいて、月約35万円の収入があったが、ゴルフやパチンコなどを繰り返し、知人からの借金もあった」と述べました。

また、犯行の手口については、「マスターキーを使ってロッカーから香典の入った箱を取り出し、被告の男の車に持ち込み、それぞれの香典袋から現金を半分程度ずつ抜き取った。そして、抜き取った後の金額に対応する別の封筒を手書きで用意し、残った21万円をそれぞれの封筒に入れてロッカーに戻した」と主張しました。

弁護側によりますと、24万円の被害弁償は済んでいるということです。

9日の初公判では、この事件の発覚に至った経緯についても、検察側から詳細に述べられました。

その主張によりますと、葬儀が終わって男性が香典袋を確認していたところ、葬儀では本来、「マナー違反」と思われる赤帯のついた封筒が見つかりました。

気になった男性が親族に確認すると、中の金額も違うことが分かったため、今回の被害が発覚したということです。
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