presidentonline 6/9(金) 13:17
興行収入125億円を超える大ヒットとなっている映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』(2023年4月公開)。アニメや漫画に詳しい哲学者の谷川嘉浩さんは「近年のコナン映画には、ハリウッドのアクション大作のようなカタストロフィがある。キャラ人気だけでなく、渋谷の街をどう壊すかというような“破壊への想像力”が隠れた魅力だ」という――。
■もはや社会現象化となった「名探偵コナン」
「名探偵コナン」という名前を聞いたことがない人は、もはやほとんどいないでしょう。1994年から週刊少年サンデーに連載され始めた青山剛昌さんによる漫画で、すでに100巻を超えています。コミック累計発行部数は、2023年2月時点で2億7000万部を突破していて、執筆時点では日本国内の漫画で第4位に当たる発行部数とのこと。とんでもない売れ行きです。
もちろん、本作はアニメ化されています(1996年から現在に至るまで)。パンデミックによる一度の延期を除いて、1997年以来ほぼ毎年アニメ映画が制作されており、2023年春に公開された『名探偵コナン 黒鉄の魚影』は、26作目に当たります(ちなみに、『黒鉄の魚影』の監督は、話題の劇場アニメ『Blue Giant』の立川譲さんです)。
『黒鉄の魚影』の興行収入は、執筆時点で125億円を超え、観客動員数は886万人を記録する人気ぶりだといえば、ファンでない人は驚くでしょうか。映画公開から40日ほどで、日本の歴代興行収入ランキングで31位になりました。
30年続く長寿コンテンツであることから察せられるように、この人気ぶりは一過性ではありません。USJにはコナンのアトラクションがあるし、コラボカフェやグッズ展開、ゲームや他作品とのコラボも枚挙にいとまがなく、その勢いはとどまるところを知りません。爆発的な人気があると同時に、日常のワンシーンに溶け込むような作品、例えば「ドラえもん」くらいの位置に「コナン」は座っているのです。
■哲学者がファンでない人向けに語る「コナン」の面白さ
でも、この記事では、コナンの人気ぶりを掘り下げるつもりはありません。それなら、こんなふうに、コナンの基本事項を振り返ることになるのでしょうか。
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