https://news.yahoo.co.jp/articles/997e9312b79fca910f1d292549ebb166de4fa3fa?page=3
■高校入試での合理的配慮も
文部科学省では、1993年に法律の施行規則を改正し、公立高校入学者選抜(以下、公立高校入試)の方法(2次募集、3次募集などの受験機会の増回、推薦入学の活用など)、
選抜における合否判定の考え方(調査書に比重を置かない、試験の教科数の増減や教科ごとに配点の比重を変えるなど)に柔軟性をもたせた。
さらに、2007年には、障害のある人に対する公立高校入試での合理的配慮についても、全国に通知が発出された。別室での受験、試験時間の延長、受験時介助員同席などが認められている。
健心さんも、高校入試では試験の介助者同席を希望し、許可された。ダウン症の人の場合、不慣れな場所、初めて会う人には過剰な不安で緊張し、何もできなくなってしまうことがある。
両親は介助者に適さないため、中学時代の塾の教員に依頼して、受験当日は離れた席に座ってもらった。
介助者は検査中、一言も発することができないが、5教科の試験時間の間、見守ることで、健心さんは安心して試験を受けられたという。マークシートを塗りつぶす練習を積んでいたこともあり、志望校には定員割れで合格した。
平成28年(2016年)の障害者差別解消法の施行により、点字や問題の拡大、音声読み上げ機能やタブレット端末などのICT機器の使用も可能になった。
昨年末には「高等学校入学者選抜における受検上の配慮に関する参考資料」で、障害種別により具体的な入試対応の実例を紹介する冊子も公開された。