中国との連携で成長するタイ地場企業



日系企業との関係は希薄

EAの成長戦略の中で、透けて見えるのが中国系企業との提携企業の深化・拡大である。バス事業会社のNex Pointの社長もタイに帰化した中国人であり、中国との結びつきが強い。サプライチェーンは、ほぼ全て中国に依存しており、タイの傘下のAmitaの工場の供給能力が十分でないことから、中国からもリチウムバッテリーを調達している。

対照的にEAの日本企業との関係は希薄であり、日系企業のプレゼンスは低い。中国企業が次々とASEANの地場企業との結びつきを強める理由として、地場企業が求めるAgileな開発や技術支援に対し、中国企業が短期に、低コストで、しかも大きなスケールで対応できる点が挙げられる。更にその背後には、ASEANに流入する中国人の経営者や技術者がいることも見逃せない。

EAのバス事業が短期間で立ち上げられたのも、そのような中国系企業の支援及び人的ネットワークがあったからである。

今後中国企業の動向を見る上では、このように表の報道では見えない、地場資本を通じて流入する中国の技術、部材、人材の動向にも注視すべきであろう。

https://arayz.com/column/car_business_202306/