マスク、黙食続く教室 生徒「外す勇気出ず」

 新型コロナウイルスが「5類」に移行して1カ月が過ぎた。コロナ禍で染みついた習慣は簡単に変わらず、島根県内の学校ではマスク着用や給食の黙食が続く。通常の学校生活が戻るには時間がかかりそうだ。

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 県教育委員会はコロナの5類引き下げに合わせ、原則マスクの着用や給食時の黙食を求めない通知を、県立学校や各市町村の教育委員会に送った。

 ただ、現場ではマスク着用が目立つ。松江市山代町の湖東中学校(全校生徒394人)では、マスク姿で授業を受ける生徒が8~9割。学校側は着用を推奨していないものの、入学以来着け続けてきた子どもたちは素顔を見せるのをためらう。3年の女子生徒(14)は「本当は外したいが、勇気が出ない」と話す。

 太田強校長は、感染拡大を不安視する保護者が一定数はいるとし「科学的な根拠を持たないわれわれとしては、着けろとも外せとも強く言えない状況にある」と難しさを口にする。

 雲南市三刀屋町給下の三刀屋小学校(全校児童224人)は、給食時の会話制限をしていない。徐々に会話する児童も出てきているが、聞こえてくるのは、箸や食器を動かす音や、スピーカーから流れる校内放送だ。

 「話したい気持ちはあるが、周りが静かな中でしゃべり出す気分にはなれない」と、6年の女子児童(11)。小田川徹哉校長は「(コロナ禍の)3年半でなじんだ生活を、国の通知一つで変えるのは難しい」と話した。

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