全米で激化する「禁書」の動き 目的はLGBTQや黒人、有色人種の表現の自由抑制
6/11(日) 11:30
全書籍で見ると、全米図書館協会のデータでは22年に全米の図書館に合計1269件の「禁書要請」が提出されたことが報告されている。これは前年の2倍近い数だ。ちなみに、禁書要請最多の書籍は『ジェンダー・クィア』という題の、イラスト形式で描かれた回想録だ。
なぜ近年急に、こんなにも「禁書」を求める動きが活発化しているのか?
「ごく少数の保護者たちが『自由を求める母親の会』などのグループを結成し、LGBTQや黒人や有色人種の表現の自由を抑圧する目的で組織化しているのが特徴」と全米図書館協会会長を務めるレサ・カナニオプア・ペラヨロザダ氏。
禁書要請の報告が最も多かった州はテキサスで、ミシガンやフロリダなどが続く。「ミシガンのある図書館の返却箱の中には、弾丸が入っていた。私たち図書館司書たちはペドファイル(小児性愛者)やグルーマー(性的搾取のため相手を手なずける者)だと誹謗中傷され、脅迫されて退職を余儀なくされた司書もいる」とペラヨロザダ氏。
保護者たちが、フェイスブック上で特定の司書の個人情報を晒して攻撃することもあった。
LAブックフェアでは「禁書を読もう」というバッジを胸につけた女性がこう語った。
「フロリダを訪れた時『ここではそんなバッジをつけて歩くなんて怖くてできない』と住民から言われて深刻さを実感した」
https://news.yahoo.co.jp/articles/9ecace2962afff4d27b3c4cb47905e67a703336a