世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する調査で、文部科学省の外局・文化庁は12日、教団から6回目の回答を受け取った。宗教法人法に基づく「質問権」の行使により、昨年11月の初回から半年あまりで計6回延べ500項目以上の質問を送ったが、裁判所に教団の解散命令を請求するに至っていない。解散を認めさせる証拠が積み上がらず、調査が長期化している。【李英浩、朝比奈由佳】

同じ質問繰り返し 膨大な被害

 12日の昼前、東京・霞が関にある文化庁に宅配用の袋二つと、A4ファイルが入る「レターパック」が1通届いた。送り主は旧統一教会。5月24日に発送した156項目にわたる6回目の質問への回答だ。

 教団はこれまで全ての質問に対し、指定期限内に回答を寄せた。だが回数を重ねるにつれて回答量が減少。初回は段ボール箱8個分の資料を送付して応じたが、直近2回はレターパックが1通ずつだった。教団広報局は12日、取材に対し「これまでと変わらず、今後も適切に回答する」とした。

 調査を担う文化庁宗務課は「質問が異なるので、分量の問題ではない」と説明。しかし、ある政府関係者は「教団は思った以上に出してこない。調査は手詰まりになってきている」と調査の難航を認める。

https://mainichi.jp/articles/20230612/k00/00m/040/165000c