https://i.imgur.com/pkNFtk5.jpg
京都市から若者と子育て世代が離れていく理由 インバウンド誘致に奔走も市民の流出止まらず
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/toyokeizai/business/toyokeizai-678117
京都市の人口減少が耳目を集めている。総務省の住民基本台帳に基づく人口で、令和2年、3年と年間の減少数が2年連続で日本一となったためだ。千年の都で、いったい何が起きているのか。
京都市の直近の人口は、2023年4月1日時点で138万1822人。2013年から4万人弱の減少となっている(下グラフ)。
この10年あまりで見ると、緩やかに減少が続き、コロナ禍の2020年から2年間の減少幅が大きくなった。
市議会では人口減少対策が毎回大きなテーマとなり、門川大作市長も「人口減少問題はわが国においても京都市においても喫緊の課題」(3月の定例会見)との認識を示している。
① 子育て世代の流出
25~39歳の子育て世代の転出超過が顕著である。同時にこの世代の子どもである0~4歳も大幅な転出超過となっている。結婚期や子どもが幼少時に、近隣の滋賀県(大津市など)や京都府内の城陽市や宇治市などに転出するケースが多い。
その背景にあるのは、インバウンド増加に伴うホテル建設ラッシュによる市内の地価上昇で、住宅コストが高騰しているためだ。この10年で市内中心部の地価は2倍超に高騰。新築マンションで6000万円から1億円といった水準になっている。一方、JRで京都駅から3駅、13分程度の大津市内のマンション(68~84平方メートル)の最多販売価格帯は3700万円台にとどまっている。子育て世代が転出するのも当然だ。
② 大学卒業生(就職世代)の京都離れ
子育て世代よりも下の20~24歳は、日本人だけでみても数百人規模の転入超過だ。就職を機に京都にUターンした若者が一定数いるうえ、全国各地から「京都企業」に就職した若者が多いということだろう。ただし、本来ならこの世代の転入超過をもっと増やせる可能性があるのだ。どういうことか。
京都は全国一の学生の街である。令和3年度学校基本調査の京都市分を市がまとめた結果によると、市内には大学等(大学院、短大を含む)が37あり、学生数は14万8218人と人口の1割強に達する。毎年3万5000人程度の卒業生が社会に出て行くということだ。
問題は、その進路先である。京都大学、同志社大学、立命館大学といった主要大学の卒業生のうち、京都の企業、自治体などに就職する学生はほんの一握りにとどまっているのだ。
立命館大学が公開している2022年春卒業生の本社所在地別就職者数を見ると、5063人中、京都府内はわずか395人(7.8%)しかいない。東京都は2315人(46%)、大阪府909人(18%)。つまり、就職者の64%が東京、大阪の企業に集中しているのが現実だ。
VIPQ2_EXTDAT: none:none:1000:512:: EXT was configured