吉野家が集客改善への課題として意識するのは、客層の偏りだ。「このままの男性客主体のビジネスモデルでは、今後の成長に限界がある」と、吉野家HDの広報担当者は話す。

「『牛丼といえば男性の食べ物』とのイメージが強い」と、外食業界の関係者が異口同音に語るように、吉野家の客層は男性が中心だ。8割ほどを男性客が占めており、女性客が非常に少ない。5月中旬の平日の昼時に、ある都市部の店舗を訪れてみると、男性と見られる客が100%だった。

吉野家は、複数の人数で来店するグループ客の集客にも弱い。店舗の形態がカウンター席中心のため、グループ客はどうしても使いにくい側面がある。

今後の一段の成長のためには、女性客やグループ客の取り込みが欠かせない。その対策の1つが、店舗レイアウトの変更である。吉野家が2016年から展開し、足元でも拡張を急ぐのが「クッキング&コンフォート(C&C)」店舗だ。

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