米インテルが、英半導体設計アームが進める米国での新規株式公開(IPO)に投資参画する協議を進めていることが分かった。米ブルームバーグ通信が12日に報じた。インテルはアームの技術を使った受託生産を始めるとも発表しており、投資が実現すればさらに関係性が強まることになる。
ブルームバーグによると、インテルはアームのIPOに際して中核的な「アンカー投資家」として参加することを検討しているという。アームはインテル以外にも複数の企業とも協議し、交渉は初期段階という。インテルとアームの広報担当者はそれぞれ「コメントはない」と話した。
アームはソフトバンクグループ(SBG)傘下の半導体設計企業で、世界のスマートフォンの約9割が採用する。4月に米証券取引委員会(SEC)に上場を申請したと発表した。今年最大規模のIPOになる可能性も高い大型案件として、動向に注目が集まっている。日本時間13日の東京株式市場で、SBGの株価は年初来高値を更新した。
インテルは米アリゾナ州で新工場を建設するなどバイデン米政権の半導体自国生産強化の期待を背負う。一方で、先端半導体開発では台湾積体電路製造(TSMC)や韓国サムスン電子に量産技術で出遅れ、赤字が続いている。
アームとは4月に同社の技術を使ったスマートフォン向けの半導体をインテルの工場で造れるようにすると発表した。アームへの投資が実現すれば、経営不振が続くインテルの先端半導体開発の立て直しにつながる可能性もある。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN132C10T10C23A6000000/