「地方税お支払サイト」で多重納付 124自治体で約3000万円
スクープ 松山文音
2023/6/14 20:08(最終更新 6/15 04:20)

 4月から始まった自動車税などの電子納付サービス「地方税お支払サイト」で、2回以上の多重納付のトラブルが発生していたことが14日、毎日新聞の取材で分かった。サイトを運営する地方税共同機構によると、5月に多重納付のトラブルに見舞われた対象は124自治体で636件、2980万9820円に及ぶ。返金が2カ月後に及ぶケースや、納税者が多重納付に気付いていない可能性もあるといい、各自治体が対応に追われている。

 同サイトは、納税者がスマートフォンでQRコードを読み取ったり納付書番号を入力したりして、クレジットカードやインターネットバンキングなどから支払い方法を選んで納税できる仕組み。共同機構によると、5月8日午後4時~9日午前6時の間、「地方税お支払サイト」でクレジットカード払いをした際に、同じ納付書で複数回、納付できる状態になっていたという。さらに、本来は納付後すぐに納付完了を伝えるメールが送られるが、最大8時間遅れたという。

 北海道税務課によると、道内では25人が多重納付し、多重によって支払われた総額は97万200円。返金は口座振替で7月7日ごろを予定しているという。

 5月9日にクレジットカード決済サービスの業務を委託していた事業者のエフレジから、共同機構に連絡があり発覚した。返金は各自治体が担うとしている。

 地方税共同機構は「現時点で断言はできないが、予想以上にクレジットカード払いの利用者がおり、システム処理能力を超え、トラブルが生じたのではないかとみられる。現在は処理能力を増強したことを確認している」としている。

※略※

https://mainichi.jp/articles/20230614/k00/00m/040/325000c