6月1日~3日、台風2号と梅雨前線の影響で大雨になりました。関東甲信から東海・近畿にかけて23地点で、24時間に降った雨の量が観測史上1位の記録を更新。
防災科学技術研究所の分析によれば、100年に一度と、滅多にないレベルの「まれな大雨」だった地点もあります。被害に遭われた方にお見舞い申し上げるとともに、1日も早く心の安寧が訪れますことを願っています。
九州では降水量が約7%増えたところも
梅雨期の大雨といえば、西日本です。大陸からの湿った空気がダイレクトに流れ込みやすい西日本では、梅雨時に最も雨が多くなります。特に影響を受けやすいのが九州西部で、人為的な温暖化によって7月の降水量が約7%増えたことがわかっています。(1981年~2020年の平均)(*1)
このような「降水量の増加」には、地球温暖化が影響しています。気温が高いほど空気が含むことのできる水蒸気量が増えるという一般的な性質があるため、気温が上がればその分大雨につながりやすくなります。気温が上がる分バケツが大きくなるようなイメージです。
梅雨期に大雨になりやすい西日本に対して、関東は9~10月の台風シーズンに雨量が増えやすい地域です。2019年に箱根で1000ミリという、とてつもない豪雨をもたらした台風19号についても、温暖化の影響を推定する研究がいくつも出てきています。
台風19号による関東甲信の降水量は、1850年以降、日本周辺の気温が1.4度上昇したことによって、13.6%増加したことがわかりました(*2)。1980年以降の気温上昇(1度)に限ってみても10.9%の増加です。
また、この降水量の増加によって、長野県千曲川のピーク流量は約22%増加していたこともわかりました(*3)。
イギリスの研究論文では、台風19号による損害のうち、どの程度が人為的な地球温暖化の影響によるものかを試算しているのですが、控えめに試算しても、5000億円程度が人為的な地球温暖化の影響による被害だとしています(*4)。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_64891ce5e4b04ee51a97df0b