https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/464553
『ほぼ間違いなく死ぬ』誰かに放たれた「飼いウサギ」が林の中で20匹近く見つかるもその後は姿を消す
阿蘇の林の中で、たくさんの「ウサギ」が見つかりました。一体、何があったのか?記者が現地を取材しました。
林の中。白黒模様のウサギや耳のおれた愛くるしいウサギなど、さまざまなウサギが元気に駆け回っています。その数、少なくとも10匹以上。
人に慣れているのか近づいても逃げる様子はありません。
この映像が撮影されたのは4月27日の午後3時頃。場所は熊本県西原村でした。
記者「ウサギたちはこちらの農道から一歩入った、人目につきにくい道の脇にいたということです」
記者が2日後、同じ時間帯に撮影した女性と共に現場に行ってみるとウサギは見当たりませんでした。
記者「この辺ですか?」
ウサギを発見した女性「この辺です」
その日、その女性は散歩中に道路にいた1匹のウサギを発見しました。
近づいてみると林の中に…
女性「20匹くらいいました。多分、奥にはもっといたのかなと思いますね」
すぐに保健所と村に通報し、翌日職員たちと現場に戻ると…
「1匹も生きている子をみつけることもできず、代わりに4匹亡くなってしまっているウサギをみつけました」
−−保健所の人はなんと言っていましたか?
「『遺棄ですね』とおっしゃっていた」
「ウサギの遺棄」…女性は悲しさと後悔が残るといいます。
「人間だけですもんね、こういうひどいことをするのは。その時にどうしてあげることもできず立ち去ったので、私たちもすごい後悔の気持ちでいっぱいです」
林の中にいたウサギたちはどこから?
見つかったウサギはどのような種類なのか、専門家に映像を見てもらいました。
熊本博物館 清水稔 学芸員「ヨーロッパ原産のアナウサギというものを改良した飼いウサギですね、ペット由来であることは間違いない」と話し、「野生にいるウサギではない」と指摘します。
清水さん「もし意図的に捨てたのであれば犯罪なんですよね。純粋にかわいそうですよね?こんなことしたらこのウサギ達は、ほぼ間違いなく死ぬ。『殺しているようなもの』なんですよ」
また、生態系に影響を与えることも。
清水さん「アナウサギの性質としては多産であるということ。繁殖のスパンが非常に短い。小さな動物ですけど増えることによって(生態系が崩れ)景観さえガラリと変わってしまうことが起きる」
ウサギが見つかった西原村では今回の問題を「遺棄」とみて、警察に相談するとともに今後、巡回を行うとしています。
そして「くれぐれもウサギを探しに山へ近づかないで欲しい」と呼び掛けています。