候補生、自衛隊に憧れ繰り返し駐屯地を見学 陸自発砲、高校時代の同級生が証言
2023年6月20日 08:06

 岐阜市の陸上自衛隊日野基本射撃場で隊員3人が自動小銃で撃たれ死傷した事件で、殺人容疑で送検された自衛官候補生の男(18)=県出身=は高校時代、周囲に陸上自衛隊への憧れを口にしていた。高校時代の3年間に親交のあった同級生(18)が男について語った。

 1年生の時に知り合った男から自衛隊への興味を「いっぱい聞いた」のは、2年生になってから。自衛隊の装備への関心と寮生活への憧れが、その理由だった。特に寮生活への思いは、里親の元から通学していたことから「里親との仲が悪かったことはないと思うが若干、家に居づらかったのかもしれない」と推し量る。

 3年生になってからは、入隊試験のため、放課後に、熱心に勉強に励む姿が印象に残っている。夏休みには男の誘いで県内の駐屯地へ見学に出かけた。「これを見に行こう、あれを聞いてみたいと、とにかく楽しそうだった」と振り返る。見学にはその後も繰り返し出かけ、自衛隊の関係者と親睦を深めていたという。

 学校での男の印象は「友達が多くていつも誰かと話している、お調子者」。共に所属した放送部では、昼休みの放送で司会を担い、真面目な取り組みを周囲に評価されてか、部長も務めた。学業面は平均的ながら、「運動神経は良かったと思う」。趣味は筋トレやゲーム、サイクリング。アルバイトも一緒にしたことがあるが「割とまじめに働いていた」という。

 最後にやりとりしたのは卒業式の前後。互いの将来に向け「頑張ろう」と話した。数カ月後に起きた突然の事件に「ショックを受けたし、何で起こしたのかとも思う。複雑な思い」と語った。

https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/246559