「庭が荒れているのを不審に思った」地元住民から役場に指摘 重要文化財“渡辺家”の保存会に『補助金の一部返還』命令 新潟県関川村
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「草刈りや雪囲い」などを実施していないのにも拘らず、虚偽の報告書を提出したとして、新潟県は20日、国の指定重要文化財・渡辺家の「保存会」に対し、2019（令和元）年度から2021（令和3）年度に交付した補助金の一部を返還するように命じたと発表しました。
返還の対象となる補助金は、岩船郡関川村下関にある“国の指定重要文化財”である『渡辺家住宅』と、“国の名勝”である『渡辺氏庭園』の保存事業に対して新潟県が交付した補助金です。
新潟県によりますと、この補助金は、年間の作業計画と共に「保存会」から年度初めに出される申請を基に県が交付を決定するものです。
年度の終わりには「保存会」から報告書が出された後に実際には支払いがなされます。
「保存会」からは、民家の環境整備として、草刈りや刈った後の草の処分、さらには冬期間の雪囲いや除雪などについての補助申請が出されていました。
ところが昨年、関川村の住民から村役場の方に、渡辺家の庭の草刈りなどが行き届いていないのではないかという指摘があり、最終的には県と村とで現地での調査聞き取りの結果、草刈りなどの実施していなかった分についても実施していたとする実績報告書を提出して補助金の交付を受けていたことが分かったものです。
「保存会」は、時効等の関係から2017（平成29）年度分までさかのぼって行った新潟県の聞き取りに対して、2019～2021年度について誤った内容の実績報告書を出したことを認めており、余剰に受け取っていた補助金あわせて121万5000円の返還命令に応ずるとともに、2022年度分については正しい内容の実績報告書を提出しています。
県では、交付決定の一部取り消しによる返還の際には、新潟県補助金等交付規則の規定により年利10.95％の加算金が付加されるとしています。
また今年度の申請については、まだ保存会からは正式な申請が届いていないということです。
