テレビ離れする人たちの高齢化の実態を探るべく、30代以上で、テレビが「必要なくなった」という人たちに話を聞いた。

「好きなときに好きなものを見たい」
 メーカー勤務の30代男性・Aさんは、PCモニターやタブレット端末があれば十分で、「テレビを買う予定はない」と話す。

「5、6年くらい前、実家から持ってきた古いテレビが壊れて、買い替えませんでした。それ以降、自宅にテレビはありません。テレビ番組も、配信で見るので、テレビ本体はいらないです。

 配信していない番組は見ませんし、そもそもリアルタイムで見ようとは思いません。自分が好きなときに好きなものを見たいし、時間があるときにネットで自分から情報を入手するスタイルが当たり前になってしまいました。
今後もテレビを買う予定はないです」(Aさん)

 IT企業に勤務する40代女性・Bさんは、「以前は、朝出かける前、天気予報を見るためにテレビをつけていた」というが、いまはスマホをチェックする。

「テレビはありますが、実質的には配信番組を見るモニターと化しています。昔は朝起きて、準備する間になんとなく時刻を把握しておきたいのと、天気予報をチェックするためにテレビをつけていましたが、いまはスマホがあれば済む。
時間も、スマホでアラームをセットしておけばOKです。

 むしろ、テレビをつけているとうっかり見入ってしまって、遅刻しそうになることもあったので、最初からつけないほうがいいと思うようになりました」(Bさん)

 もっとも、実家に帰ると70代の両親が常にテレビつけっぱなしにしている。Bさんがいう。

「特に見たい番組があるわけでもないのに、テレビをつけているんですよね。『面白い番組がないねー』と文句を言いつつ、他局に切り替え続けてつけっぱなし。基本的に寝るまで消すことがありません。
情報を得る手段がすべてテレビで、しかも受動的に受け入れる生活なんです。つい最近も、『ニュース番組見てる? 見てないの? テレビ持ってないの?』と言われました」(Bさん)

30代、40代だけではない。不動産企業に勤める50代男性・Cさんも、「テレビはあまり見なくなった」という。

「小さい子供がいる家や、テレビを見ながら夕食をとるような家だと、まだまだテレビを見ているのかもしれませんが、子供も家を出た今、『なんとなく見る』ものは、テレビではなくスマホになりました。ときどきYouTubeをザッピングする感じです。

 たまにテレビをつけてみるんですが、ニュースはすでにスマホで見て知っているし、バラエティは見逃し配信で飛ばし見するぐらいがいい。テレビで情報を得なくなっているのは、若者というよりも、スマホに慣れた世代かどうか、ということもあるのでは」(Cさん)

 若い世代のテレビ離れが指摘されるようになって久しいが、上の世代にもその流れは着実に到来してきているようだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7888c6560cdfe170966f70d7667f4435b2b7f610