PGAツアーとLIVゴルフの「電撃統合」から目が離せないワケ
北谷賢司 | Official Columnist
KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院教授、同コンテンツ&テクノロジー融合研究所所長、ワシントン州立大学財団理事
先週突如ゴルフ界の衝撃的ニュースとして報じられた、米男子ゴルフのPGAツアーとサウジアラビアの政府系ファンド「PIF」が支援するLIVゴルフの「統合」。これには単純かつ複雑な背景がある。
LIVゴルフは、PGAツアーの運営を「保守的」と評し、より高額な賞金や放映権料を見込めるエリート選手だけが出場できる「スーパー・リーグ」構想を打ち出すなど批判的姿勢を示し続けてきたグレッグ・ノーマンがCEOを務め、PIFの巨額の資金力をバックにフィル・ミケルソンはじめPGAツアーの主要選手を引き抜き、僅か2年で存在感を拡大してきた。
PGAツアーのジェイ・モナハン・コミッショナーはLIVゴルフに対して、「人権侵害などが問題視されているサウジアラビア政府が、自国のネガティブなイメージを洗浄、払拭するためにスポーツを利用する『スポーツ・ウオッシング』を図っている」と強い批判を続けてきた。
更に「9.11遺族会」とも連携し、遺族会はLIVゴルフに対する危惧を表明していた。
LIVゴルフに移籍した、メジャー6勝・PGAツアー通算45勝を誇るミケルソンは2億ドル(約280億円)、元世界ランキング1位の38歳ダスティン・ジョンソンは1億2500~5000万ドル(約210億円)で契約したとされている。
さすがにマキロイにはLIVゴルフからのオファーはなかったそうだが、ウッズには7~8億ドル(約986~1120億円)、松山英樹にも4憶ドル(約563億円)が提示されていたと言われている。
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