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パナソニック、中級以上のエアコン生産を中国から移管

パナソニックホールディングス(HD)は22日、令和6年度までに国内向けに販売する家庭用エアコンの中級機と高級機の生産を中国から日本に移管すると発表した。米中貿易摩擦などの地政学リスクへの対応に加え、製品を販売する地域で生産する「地産地消」を進めることで、生産効率の向上を図る。

日本国内で販売するパナソニック製のエアコンは、これまで最上位機種などの一部を除く約9割を中国の広州工場で生産していた。今年度から高級機、来年度から中級機を滋賀県の草津工場などに移管することで、約4割が国内生産となる。

生産移管の投資額は約100億円。部品の共通化や、生産工程へのロボット導入による自動化を同時に進め、受注から納品までにかかる時間を現在の4分の1にまで短縮する。移管により約40億円の収益改善を見込む。

パナソニックHDでエアコンの開発、生産を担うパナソニック空質空調社の道浦正治社長は「マーケットに近いところで製品を提供するために国内回帰を決断した。地政学リスクももちろん意識している」と話した。今後、グローバルで生産の地産地消を検討するとしている。