同社が「実験的」だとするタイタンは、深海艇にはあまり使われない素材で作られている。
船体(乗客が座る空間の周囲)はカーボンファイバー製で、エンドプレートはチタン製で、
片方の端には小さな窓がある。

英ポーツマス大学講師のニコライ・ロターダム博士(海洋生物学)は、
「深海潜水艇の人間を収容する部分は、典型的には、直径2メートルほどのチタン製の球体だ」と説明した。

深海の大きな水圧に耐えるには、極めて強力な素材が必要だ。
カーボンファイバーは、チタンや鋼鉄より安価で、強度も非常に大きい。
だが、タイタンのような深海艇で試されたことはほとんどない。

裁判所の文書では、ロクリッジ氏は船体が適切にテストされていないと主張。
タイタンの小型模型を使った圧力テストで、カーボンに欠陥が見つかったとした。

ロクリッジ氏はまた、タイタンのガラス製ののぞき窓についても、
素材メーカーは深度1300メートルまでの使用しか認証していないとした。

オーシャンゲートは2018年12月の声明で、タイタンが深度4000メートルの潜水を完了し、
「オーシャンゲートの革新的エンジニアリングと、カーボンファイバーとチタンの
船体構造が有効であることを完全に証明した」としていた。

同社のストックトン・ラッシュ最高経営責任者(CEO)は2020年、米テクノロジー関連のニュースサイト
「ギークワイア」のインタビューで、タイタンをテストしたところ、
船体に「繰り返し疲労の兆候が見られた」と述べていた。
https://www.bbc.com/japanese/65981987