静岡県沼津市のふるさと納税の返礼品に22日、小学館の漫画雑誌「コロコロコミック」と連携した小学生の溶接体験「めざせ溶接マイスター!」が新たに加わり、同市西間門の影山鉄工所で小学生が溶接を体験した。溶接体験者を小学3~6年生に限定。子供が溶接を楽しむために親子で沼津を訪れる思い出づくりに仕立てた。

ギギー、ギギー。難燃性の衣服に身を包み、防護ヘルメットをかぶった岩田陽壱(はるいち)さん(小3)が溶接を始めるとオレンジ色の火花が周囲に散った。影山鉄工所には、鉄の雑貨が作れる溶接体験工房「アイアンプラネットベースオブ沼津」があり、未経験者も溶接を楽しめる。

今回のふるさと納税は寄付額4万5000円。鉄工所従業員から溶接の説明を受け、作業時間約15分で写真スタンドを作る。体験を終えると「溶接の鉄人」の認定証と、コロコロコミックの人気連載「でんぢゃらすじーさん」の作者・曽山一寿さんが書いたオリジナル溶接ギャグ漫画がもらえる。岩田さんは「怖かったけど、ちゃんと溶接できて良かった。楽しかった」と話した。

溶接体験は既に2022年10月から沼津市のふるさと納税返礼品にあるが、主に大人が対象だった。

 沼津市とコロコロコミックは愛鷹運動公園内の泊まれる公園「インザパーク」での球体テント宿泊体験でもふるさと納税で協力しており、今回は第2弾。コロコロコミックの小林浩一副編集長(46)は「ウナギやメロンもいいが、子供と一緒にいられる時間は意外と短い。返礼品で子供ととっておきの体験ができればいいなと考えた」と狙いを話した。

https://mainichi.jp/articles/20230622/k00/00m/040/268000c

 沼津市のふるさと納税寄付額は、20年度4億9100万円▽21年度11億7600万円▽22年度23億1300万円と右肩上がりに伸びている。しかし、市ふるさと納税推進室の担当者は「今回の溶接体験は、少しでも多くの方に沼津に来ていただくのが狙い。寄付額の目標は立てていない」と説明している。【石川宏】