婚約中のカップルである日本人青年留学生麟一郎とドイツ人女性クララは、ドイツの山中で未来帝国EHS人ポーリーンが乗ったタイムマシンの墜落事故に巻き込まれたことから、未来帝国EHS(The Empire of Hundred Suns イース = 百太陽帝国、またの名を大英宇宙帝国)へといざなわれる。
白人女性で元貴族の生まれであるクララは、EHSの貴族たちに同胞として迎えられる。恋人である麟一郎を救うためにEHSへの渡航を承諾した彼女だったが、セッチン[4]を使い、ソーマ[5]を飲み、小伶人[6]達による音楽や矮人決闘[7]を愉しむうち、当初は否定していたヤプーの存在、またヤプーと日本人が同一の存在であることを認めざるを得なくなっていく。ジャンセン家の別荘に到着するころには、既に彼女は麟一郎をヤプーとして拒み、その恋心をウィリアムへと移していた。
一方、「クララが捕獲したヤプー」とみなされた麟一郎は、家畜が受けるべき処置として身体改造を受け、クララには現代地球への帰還を拒まれて絶望し、無理心中を図るが失敗する。こうして恋人としての二人の仲は完全に破綻したが、クララは「立場がどんなに違っても二人は離れない」と誓った言葉を忘れてはおらず、麟一郎はクララを救いの女神として心の支えにするようになる。
クララはポーリーンやアンナ・テラスに導かれ、EHSの貴婦人としてふさわしい教育を受け、ヤプーの扱い方やその主人としての心構えを学ぶ。そして麟一郎はヤプーとして、またクララの従畜として徹底的に洗脳され、やがて自らその立場を受け入れるに至る。地球を発ってからその間、わずか3日であった。
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