駐車場に開祖の「顔だけ」の大銅像 完成には数億円必要、寄付募る(朝日新聞デジタル)
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茂原の地名の由来となったとされる日蓮宗の古刹(こさつ)「藻原(そうげん)寺」(千葉県茂原市茂原)の駐車場脇に、未完成の開祖日蓮の大銅像が仮安置されたままとなっている。完成すれば台座も含め高さは約32メートル。地域活性化の観光資源にもなる大銅像の完成に向けて、寺は日蓮の没後750年を記念して2031年を目指し、寄付を募る。
藻原寺は、現在の鴨川市小湊出身の日蓮(1222~82)によって1276年に創建された。高さ25メートルで円筒形の構造が特色の山門が有名だ。
寺によると、約20年前に大銅像制作の計画が立ち上がり、本体は高さ20メートル、台座は高さ12メートルとした。
■2013年に完成予定、東日本大震災で先延ばしに
計画は2010年から本格化し、当初は日蓮の弟子である日向(にこう)の没後700年を記念して13年に完成させる予定だった。しかし11年の東日本大震災もあって寄付が集まらず、計画は先延ばしになった。12年には、境内に10分の1スケールの銅像が設置された。
資金不足の中、18年に頭部だけをお披露目した。現在も仮安置されている未完成の大銅像は、頭部から肩口の高さ4・3メートルの部分で、顔は若々しい。鎌倉に向かう途中で茂原に滞在し、信者に初めて題目を唱えた日蓮32歳の姿という。
胴体など他の本体のパーツ約100個もできているが、盛岡市の鋳造所に運び、組み立てる必要がある。本体だけで総重量は40トン。本体と台座を完成させるには数億の資金が必要となり、寺は計画の見直しを始めている。
輸送費削減に向けて、大堂裏の山の上に設置する計画だが、頭部がある駐車場脇への変更を検討。また台座の中を空間にして納骨堂にする計画は、40トンの重さを支えるため空間の設置を諦めた。
寺は、日蓮の没後750年を記念して31年の完成を目標とし、引き続き寄付への協力を呼び掛けている。
寺の執事長、増田宝泉さん(71)は、「大銅像が完成すれば新たな観光名所になり、お参りに来る人が増えて地域の活性化につながる。茂原を少しでもにぎやかにしたい」と話している。(中野渉)