僕がテレビに出なくなった理由はハッキリしています。単純にいまの芸能界が心底、面白くないからです。

最近は顔つきも物腰も柔和な芸能人ばかりが幅を利かせていて腹が立つ。
そんなに庶民的になってどうするの。

昭和の時代のように、圧倒的な輝きやオーラを放つ俳優が見当たらない。
一流の俳優には「どこで掘り起こしてきたんだ?」と思わせるくらいの圧倒的な存在感がないといけないんだ。

商店街をブラついて、アンパンだか羊羹だかが有名な店に寄ったかと思えば、店主の能書きをひとくさり聞いて「美味しいですねぇ」なんておべんちゃらを言う。
これは俳優の仕事じゃないですよ。
芸能人は手の届かない存在でなければ価値がない。

フルーツと同じで高級なものは桐箱に入れて鎮座していないと。ひと山幾らの奉仕品コーナーに置かれたら、どんなに美味しくても傷んでしまう。
ダイヤの原石もバラエティ番組の「ひな壇」に並んだら擦り減って輝きを失うんだ。
そうなったら、テレビ局の制作スタッフと同じで、番組を成立させるための「放送要員」に過ぎません。

本音を言えば、僕も引退したいですよ。
でも、このまま芸能界を去るのは癪なんです。
俳優が俳優らしく生きられた昭和の芸能界に引き戻したい。
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/12121455/?all=1&page=2